16. after shooting

旅先の宿で。特に冬。撮影のための滞在で、それに集中し、空間の全てが撮影準備とケアのために存在して、窓の外はとても寒い景色だけど、部屋の中は暖かくて安心。っていう状況。これが大好きだ。ハイランドから帰ってきたら、自分よりまず先に機材のケア。「ごめんね、ごめんね、ありがとうー」とカメラに話しかける。本当にごめんなさい.... そしてありがとう。

その後、ディナーをいただいた。ディナーの席でKrismundurが「ジャグジーに入って、ちゃんと温まった?」と聞いてくれたが「私よりも機材の方が繊細なので、機材のケアをしてた」と言ったら「でも、あなたのケアも忘れずにね」だって。優しい人々。なので夕食後、お言葉に甘えジャグジーとサウナにたっぷり時間を使わせていただいた。贅沢な私。

ところで。窓からの景色。夜は何も見えなかった。真っ暗闇。当たり前だよね、夜って暗いのだから、人工の明かりがなければ暗いもの。でも、さっきまでそこに見えてた山や向こうの景色が真っ暗闇で何も見えないって事がなんとなく不思議だった。あるのは知ってるけど、何も見えない。しばらく、その何も見えない「闇」をずーっと見ていた。不思議だった。目を開けているのに何も見えない闇。

その後。しのごのフィルムフォルダーのフィルムを交換する作業をしなくちゃなんない。むー。実はあまり好きではない。っていうか、とても気を使う行為なので、なんとなく後回しにしてしまう作業というか、やり始めるまでに時間がかかってしまう作業。だけど、これをやらないと明日の撮影ができないから絶対にやらなくちゃなんない。むげー、緊張する作業だ。ふぃぃぃ。でも。とても大切。その後。カメラの整備をして。眠る。